「問題」と「答え」。

 中間テストが終わり、結果も出揃いました。

皆さん、結果はどうでしたでしょうか。

良かった人も、悪かった人も、次に活かしていきましょう。

 ところで、学校のテストは、個人の見解を問われる以外は、

基本的には「答えのある問題」ばかりです。授業でも、その問題の

答えの求め方を教わります。テストでは、その求め方を使って

正しい答えを出し、得点を競います。

 一方、大人になってみると、自分たちが向き合わなければ

ならないのは、「答えのない問題」が多いことに気づかされます。

しかも、答えを出す方法や答え自体も、本人に委ねられます。

 その時のベストだと思える自分なりの答えに辿り着くために、

すなわち、自分で決断するために、それまで勉強してきた「答えの

ある問題」の知識と本人の経験が必要なのだと思うのです。昔は

自分も数学、古典や物理が将来何の役に立つのだろうと正直思って

ました。しかし、「答えのない問題」の自分の答えを「製品」と

するなら、そういった知識は、いわば「部品」です。どうやって

組み立てるかによって、出来上がる製品も変わって来ます。部品が

多ければ、作れる製品も当然増えます。状況に応じた答えを出し

易くなるのです。

 また、「部品」は組み立て方を知らなければ、「製品」を作ること

は出来ません。その時の問題点を理解して、求められる手段を考える

判断力が重要なのです。

 中学や高校では、専ら「答えのある問題」を習い、下手をしたら、

得点のために丸暗記することさえあります。でも、それはあくまでも

自分の人生をデザインするための1つの「手段」であり、「目的」では

ないのです。即時的利益ではなく、知識を吸収する中で、様々な考え方

を学び自分で決断するという経験を積み、困難な状況でも前進できる力、

いわば「人間力(生きる力)」こそ、教育の大きな目的の1つだと思う

のです。(中島)


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