練習するということ

 あるミュージシャンが,「個人練習というのは自分が出来なくなっていることがないか,出なくなっている音がないかを確かめるもので,毎日リハーサルや演奏会があるから楽器は触るものだし,個人練習はほとんどしない。」と言っているのを聞きました。当然その域まで行くためにミュージシャンは相当の練習をしているので,これは完成された実力を持っている人の話ではあるのですが,その人はこうも続けていました。「実際に何回か楽器を触って,自分が出来ていること,出ない音がないことを確認したら安心する。」
 この話を聞いて単純に「一流のプロは違うなあ。」と思うのですが,それと同時に思うことは,「確認すること」の大事さです。勉強でも同じなのですが,「練習して新しいことができるようになる」「わからない問題が解けるようになる」もちろんどちらもとても大事なことなのですが,そのことばかりに気を取られてはいないでしょうか。それと同じぐらい「出来ていたことが出来なくなっていないか確かめる」ということは大事なはずです。大学入学共通テストが迫っている中,出来ないことにとらわれすぎていないでしょうか。自分の足元を見直すことはとても大事なことです。もし成績が伸び悩んでいるということがあるのなら,それを試してみてはどうでしょうか。(岡田)


TOPにかえる