塾講師という仕事を始めておよそ30年。ただひたすらに生徒を指導していたら、
あっという間に時間が過ぎていました。自分はこの仕事が好きで始めたので、楽しいこと
ばかりではなく、苦しいことや大変なこともありました。しかし、仕事が好きだという気持ち
が辛いことを乗り越える力を与えてくれた気がします。だから、例え時間がかかっても、
生徒たちにも自分がやりたい仕事を見つけて欲しいと思います。
30年という期間で、時代、社会情勢や教育を取り巻く環境も随分変化しました。学習指導要領
や入試制度の変化によって、学習内容や受験対策も大きく様変わりしました。しかしながら、どんなに
大きな変化があろうと、学校の授業が基本だということは変わりません。好きな仕事にたどり着く
ためにも、大学、専門学校や企業などの自分の進む先が求める成績を修めなければなりません。
いろいろな成績の良い子、成績の良くない子を見てきた中で、双方の差が学習時間や学習方法にあること
以外に気づいたことがあります。それは、成績の良い子は悪い子に比べて、「①挨拶をする、②時間を守る、
③忘れ物をしない」ということです。もちろん、全員がそうだとは言えませんが、結構な割合で当てはまり
ます。毎回の指導に遅刻せず塾に来て、教室に入るときに元気に挨拶し、教材や課題を忘れずに持ってくる
生徒は成績が良いことが多いです。確かに、学習習慣や学習方法は大切なのですが、こういった基本的な
生活習慣を身に着けることも同じくらい大切なのです。そして、基本的な生活習慣を身に着けるには、親の
協力が不可欠なのです。学習時間や方法をいきなり変化させることは骨が折れますが、生活習慣は能力より
気持ちや慣れに左右されるものです。地味に見えますが、結構将来に影響を与える習慣です。自分の将来の
ために身近なことから始めてはどうでしょうか。
何事も積み重ねです。1日の変化は小さくても、1か月、1年と経ったとき、意外と大きな実りが
もたらされるものです。(中島)