ナポレオン・ボナパルトは間違いなく天才でした。世界史レベルで見ても個人の名前が時代や,戦争の名前になっている人物はそうはいません。戦争,政治の分野で彼以前と彼以後で変わったことは多くあります。
近代ヨーロッパで圧倒的な力を誇ったナポレオンとフランスですが,やはり勝ち続ける事は出来ませんでした。
ロシア遠征の失敗をきっかけに,以前のように圧倒的な勝利を収めることが出来なくなってしまいます。
ナポレオンの最後の戦いとなったのは「ワーテルローの戦い」でした。ナポレオンを最後に破ったのはプロイセンのブリュッヘル元帥という人です。その時の年齢はなんと73歳でした。ブリュッヘル元帥は天才とは程遠い人です。「前進元帥」という異名があるように,勇敢さでは右に出るものがいなかったのですが,猪突猛進してしまう癖があり,それが敗北につながってしまうことがあったようです。ただ,彼は有能な部下を信用して全てを任せる。ということが出来る度量がありました。いくら天才ナポレオンでもすべてに完璧に対処することは出来なくなっていました。(若い頃ならまだしも,晩年は判断力の衰えが顕著だったようです。)
最後に天才を倒したのは,「己の限界を知り,出来ないことは出来るものに任せる」事ができた人でした。
人は自分の出来ないことでも,意地を張って自分だけでなんとかしてしまおうとすることがよくあります。結果それが出来ても,無駄な時間を使ってしまったり,変にあきらめてしまったりしています。出来る人におしえてもらう,お願いする。意外と難しいことかもしれません。ただ,出来ないことは素直に出来ないと自覚し周囲に助けを求めることはとても大事なことです。もっと効率よく,簡単に物事が進むかもしれませんよ。