前回は、2020年度から新しい「学習指導要領」になり、コロナ禍も相まって、
学校教育の現場で様々な影響を受けているという話をしました。
では、実際の学校の授業はどう変化したのでしょうか。一番分かりやすいのが、
「教科書の大きさ・厚さ」です。教科書に盛り込まれた内容が多岐に渡ったり、
高校で習っていたことが中学校に下りてきたりと勉強することが一気に増えました。
しかし、学校の授業時間は変わらず、と言うより、コロナ禍で逆に減ってしまい
ました。また、新しい授業方法のリモート授業も導入されました。限られた時間と
方法の中で、教える側の教師には授業に今まで以上の内容と質を求められています。
いろいろと考え研鑽されていますが、学校と言うより、やはり教師自身の能力に
左右されているのが実情のようです。私自身も参考になるプリントを作成される
先生方もおられるのですが、授業時間が足りないから、単元を飛ばしたり、
問題の解答を配布して終わったりする先生も…。そして、黒板を写せばよかった
以前とは違って、学習すべき量が増えた中でノートテイクが減り、教師のセンス
任せのプリント学習やアクティビティが増え、学ぶ生徒側も今まで以上の理解力
が求められています。授業が終わっても、何が重要だったか分からないままなこと
もしばしば…。文部科学省は「主体的・対話的・深い学び」を求めていますが、
それが等しく享受出来ているかは疑問が残ります。
だからこそ、生徒側の「学ぶ意思」が大切だと思うのです。生徒自身が望む将来
のために、ただの知識の暗記ではなく、それがどんな物で、どのように使えるのか
を生徒が知り、目的のために実際に使えるようになることが生徒の助けになるのです。
それこそが、自分を育む「生きる力」なのです。(中島)