放任主義。

「子どもの言う通りにしてください」

 これは、親子面談で近年よく聞くようになった言葉です。

毎回と言うわけではないのですが、私は物凄い違和感を感じる

ことがあります。言葉だけを聞くと耳触りは良いのですが、

中には家庭で子どもの夢や進路について話してないのに、または

ろくに知らないのに、無条件でこの言葉を言う保護者がおられます。

そこを突っ込んで聞くと、「うちは放任主義なので・・・」と言われます。 

 対話はコミュニケーションの基本です。

相手と対話を重ねていくことで、相手の考え方や想いを知ることが

出来るようになります。時間はかかりますが、その分信頼関係や親愛

の情(愛情)が築けるのです。友人や同僚、そして家族であっても、

それは同じなのです。そして、その信頼関係や愛情の上に、子どもの

自主性を育む「放任主義」という教育方針は成立するのです。課題に

ぶつかっても簡単に答えを提示せず、子ども自身が考えて行動する

ことで、自分の意思が尊重される実感が得られます。それが成長に

つながります。あくまで、それは信頼関係と愛情という前提条件が

満たされている場合です。その前提条件がないと、「放任主義」では

なく、ただの「ほったらかし」です。子どもに対する正しいフォロー

があって初めて、「放任主義」は教育方針になり得るのです。

 情報やコミュニケーション技術が発展していく昨今だからこそ、

アナログな相手との対話が大事なのではないでしょうか。何でも

そうですが、創るには時間がかかりますが、壊れるのは一瞬です。

「家族だから大丈夫」と高を括らず、家族の信頼関係をより強固な

ものにするために、相手の想いを知ろうと対話してみませんか。

                        (中島)


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