大切なもの。

 「失って初めてその大切さに気付く」という言葉をよく耳にしていたが、

自分がここまで身に染みて実感するとは思っていなかった。

 「大切なもの」というのは、人によって千差万別で、

家族、恋人、友人、ペット、思い出のある品物・・・数えきれないほど多岐にわたる。

 

 長年の不摂生がたたり、現在の私の場合、それが「健康」だった。

自分の身体に症状が出るまで、医者に手術が必要と言われるまで気づきもしない。

そして、一丁前に後悔し、打ちのめされている。元に戻ることはないと言われ、

初めて自分にとって大切だったんだと分かる。

 「大切なもの」は、たいていの場合が、自分の近くにあり、目に見えず、気づかず、

何故かそこにあるのが当たり前に思えるものの中に存在する。最初は意識していても、

時間が経つと、熱湯が時間と共に、ぬるま湯、そして水になってしまうように、

意識の外へと追いやられてしまう。失ってから、それが他の何を投げ捨ててでも

構わないほど大事だったんだと知る。

 失った後悔は、時間が経てば解決することもあるかもしれないが、またそれに

慣れてしまうと同じことを繰り返して、また別の「大切なもの」を失ってしまいかねない。

だからこそ、自分にとって「大切なもの」は何か考えてみよう。当たり前だと思っている

人や物を目いっぱい大事にして、心から感謝しよう。もう2度と失って後悔しないために・・・。

 皆さんの大切なものは何ですか。    (中島)


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